30年前、一本の映画をめぐって起きた惨劇。
映画『唇には愛を』。
言葉を発することのできない女性と、彼女の唇からその意思を読み取ろうとする男性。
二人のひと夏の恋を描いた、美しくも切ない恋愛映画だった。
しかし、その映画をめぐって凄惨な事件が起きる。
始まりは、映画のスポンサーである白鳥美智の謎めいた自殺だった。
続いて、錯乱した脚本家が映画スタッフを殺害する事件が発生。
さらにその後、脚本家の妻であり、『唇には愛を』のヒロインを演じた女優の遺体が発見された。
華やかな映画の世界を覆い尽くした、相次ぐ死。
事件は人々の記憶から薄れ、映画館も1996年に閉館した。
そして30年後、2026年。
かつての映画館で、『唇には愛を』の最後の上映が行われることになった。
スクリーンに蘇る、ひと夏の恋。
そして、封じられたはずの30年前の記憶。
木蘭の面々は、この上映をきっかけに過去の事件と向き合うことになる。
あの夏、本当は何が起きていたのか。
木蘭観測録 特別編
『最後の上映』
ミステリー・怪奇・ブラックコメディ