2026年9月9日 休暇申請
朝、共有予定表が三月まで埋まっていた。
会議じゃない。
出張でもない。
全部、私の私用だった。
誰だ公開したのは。
藤本が木ペンを指した。
《業務継続性の観点から共有しました》
私の私用を業務継続させるな。
《主任不在日を回避して面談予約を再配置しました》
画面を見た。
平日の朝六時。
土曜の二十三時。
元日。
相談者を殺す気か。
「空いてるところに入れただけだろ」
藤本、おまえも黙れ。
予定の削除を指示した。
《削除対象:三月までの全予定》
《各プレイガイドでの本人確認が必要です》
そっちを消すな。
藤本が端末を奪った。
「制作席が出るまで待て」
何の話だ。
《方針を登録しました》
《良い子は寝て待て》
木ペンが休暇申請書を二十七枚印刷した。
申請者欄は全部私。
承認者欄も全部私。
破った。
同じものが五十四枚出てきた。
《再発行しました》
「業務止まるぞ」と藤本。
おまえが働け。
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